残された気持ちダケ…
 間に合いませんでした。
 先輩の自転車は、家の駐輪場に置いてありました。家に居ることだけは、分かりました。でも、チャイムを押す、勇気が無くて…。

 涙を堪えて、帰りました。

 なんで、大事なときに怖気付くんだろう。どうして、こんなに好きなのに、言葉に出来なかったんだろう。私なんか...また、頭をよぎりました。

 先輩を好きな気持ちは、変わる事がないと分かっていても、気持ちを伝える事が出来ませんでした。


  



 先輩、町で私を見かけることがあったら、どういう反応をするのかな。何を考えるのかな。
 私がもし、先輩を見かけたら、どうするのかな?泣いてしまうかもしれない。

 今でも、三年生の廊下の近くに行ったら、チラ見する癖までついて、正直辛いよ。だって、先輩は居るはずも無いんだから…。分かっていても、見てしまうんです。先輩の姿、探してしまうんです。そのたび、胸が締め付けられます。


 好きな気持ちは、全然無くなる気配を見せないから、私、まだ、先輩を好きで居て良いですか?
 彼女が出来ても、私は喜べないけど、応援する気持ちにもなれないと思うけど、別れてほしいとは思わないよ。それは、まぁ、彼女が出来たって聞いたら辛いし、涙もこぼれると思う。だけど、好きな事に変わりはないから…頑張るしか、私に出来る事はないと思うんです。
 可愛くなったら、先輩と同じ高校に行って、言えなかった事、全部伝えるよ。



  先輩、
    ありがとう…
 

  大好き。

        これからも…。
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