Lovely☆愛すくりーむ
大量の吐血をし、意識が朦朧としている。
『恐い』
俺の頭の中にはこの2文字しかなかった。
みんなが次々と教室から飛び出して行く。
「梨架!!」
梨架は何がおこっているのかわかっていなくてその場に立ちつくしていた。
そんな梨架の手をひいて俺も教室から出た。
一応隣のクラスに入り先生に事情を説明した。
そのクラスの給食用マスクを取って梨架に付けさせ、俺もつける。
そしてグラウンドまでがむしゃらに走った。
「凪・・・は、はやい・・・」
「あ!梨架、ゴメン!!大丈夫か??」
「うん・・・けど・・・先生が・・・はやく助けないと・・・」
「今は他人の心配するより自分の心配しろよ!!」
「うん・・・ゴメン・・・」
「また会おうな。それまで待ってろよ!!」
「うん!!じゃあね☆」
数十分後、救急隊が来た。
消毒液を全身にかけられ俺たちは家にかえされた。
家に着き、母親は驚いた表情で俺を見る。
「どうしたの!?はやいじゃない。熱でもあるの??」
「違うよ。インフルエンザ。今日、先生が倒れたんだ。」
「そうなの!?あんたも気をつけなさいよ。」
ついに俺たちの所にも来てしまった新型インフルエンザ・・・
いつになったら学校に行けるのだろう。いつになったら元通りの生活ができるだろう。
いつになったら・・・梨架に会えるんだろう。
こんな不安が頭の中を埋め尽くしていた。