Lovely☆愛すくりーむ
俺は言葉を失った。
目と鼻、それから口。そこから血が流れ出ていた。
「雄輔!!インフルエンザかかったのか!?早く病院に行かないと!!お母さんは!?」
「だから来るなってさっき言っただろ・・・もういいんだよ・・・どっちみち生きてたって、
いいことねぇんだし・・・母親は俺がインフルエンザにかかったからって、うつりたくない
からって出て行ったよ・・・」
「そんな・・・おい!!雄輔、背中乗れ!!いいことねぇなら俺が作ってやるから。だから、死
なないでくれ・・・」
「凪・・・ありがとな・・・」
俺は雄輔を背中に乗せ、病院に向かって走る。
無我夢中で走った。自分にインフルエンザがうつるかもしれない事を考えずに。
病院に着き、俺はあの学校の帰りの時みたいに消毒薬を全身にぶっかけられた。
病院の外でずっと待っていた。寒かった。
けど、俺は『寒い』って言う感情より雄輔のことを思う気持ちの方が大きかった。
看護師が俺にむかって走ってきた。
「今日はまだどうなるか分かりません。一応、今日は帰ってください。ありがとうござ
いました。何か変化があった場合は連絡しますので。では。」
俺は家に帰る。
「はぁ・・・」
テンション低めで帰ったら母はテンション高めで俺を迎えた。
「どうしたの??」
「雄輔がインフルエンザにかかったんだ・・・それで母親がうつるの嫌だからって出て行っ
たらしい。」
母は涙目で俺にこう言った。
「私は凪を見捨てないからね。」
「うん。ありがと。」