〇●ベリージャム●〇

「別れよう?」




こうなることはわかっていた。




雅人君は優しいから。




雅人君を裏切ったあたしを全く怒ろうともしない。




むしろ優しく笑いかけてくれている。




「ほんとはね?できることならば姫菜ちゃんと別れたくないんだ。」




ふと私の頬に一滴のラインがひかれた。




「だって好きだから。姫菜ちゃんのこと。」




だんだんと目頭が熱くなってくる。




「でもただ好きなだけじゃどうしようもないんだって……今気付けた。」




溢れてくる涙をこぼさないように必死にこらえた。


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