〇●ベリージャム●〇

必死にこらえていた涙が一気に溢れ出した。




「なんで………そんなに優しくして…グスッ…くれるの?…グスッ…ほんとは………ほんとは……グスッ………………あたしが“ありがとう”って……言わなきゃいけないのに…グスッ……」




ほんとわけわかんない。




いくら優しいからってこんな時まで怒らないの?




「姫菜ちゃん。稜哉と幸せになってね?」




雅人君はあたしの頭に手を乗せてくれた。




大きくて温かい手。




初めて感じた温もりだった。


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