分け合う秘蜜
「で、理由を話せ。理由を」
「だから、先生の気にする
ことじゃないですって!」
バカでかいソファーに偉そうに
腰かけた先生に、
戦闘体制を崩さない
あたしに座れ、って顎で
ソファーを指して。
大人しく座るしかなかった。
「どうせ、宮本先生のことだろ?」
…はい?
キョトンとしたあたしに
にやりと笑う先生は一言。
マセてんな、勉強の方も
頑張れよガキ。の言葉。
はい!?
なんであんたにばれてんの?
「あ、え、な!?」
「あ、マジにそうだったわけだ。
カマかけたら引っかかってやんの」
「……先生、嫌い」
最低、絶対に他の先生に
言いふらす。この男は!
ガタンと音をたてて、
先生の所へ歩み寄ると
フッとバカにした笑い。