✝恋人魚✝

「清が高校に来るようになって
 今日で何日目だろうね?

 光喜はさ、初めて会った時の事
 …どれくらい覚えてる?

 清はね…全部ハッキリ覚えてる
 んだ。」


清が何を言いたいのか

俺には全く分からなかった。


清は続ける。


「光喜にちゃんと話してなかった
 けど…
 清ね、月谷サンが好きになる前
 違う男の子と付き合ってたの。

 でもね…
 清ゎその人をフっちゃった。
 その時思ったの。
 清が本当に好きな人は
 誰なんだろう…って。

 前に清が「月谷サンの事好き」
 って言ったじゃない?
 でもその時頭に浮かんだのは
 月谷サンじゃなかった。」


そう言うと、

清は綺麗な瞳で俺を見た。


何故か俺は、

無性にドキドキしている。


「その人はね…

 光喜だった。

 だからね…ちゃんと
 清の中で考えたの。

 清が本当に好きなのは
 きっと光喜なんだって。

 この事実は、光喜にとって
 迷惑かも知れない。

 だけど、もう清は
 光喜の事意外
 頭に入らなくって…」


次第に清の目からは

大粒の涙がこぼれていた。
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