✝恋人魚✝
約束×人魚
『清!!ホントにごめん。明後日なら大丈夫だからさ!!』
「ゥん…平気だよ?」
『ホントに大丈夫か?』
「大丈夫だって…ね?」
この受話器越しに悲しい声で強がっているのは
俺の彼女。魚咲清。
俺らは明日で1ヶ月になる。
なのに肝心の俺が用事が出来て、
その日は絶対に一緒に居れなくなっちまった。
それで清のご機嫌うかがい中。
「光喜…さぁ…う、浮気とかじゃ無いよね?」
『はい?!』
清からは絶対に出てこない
と思ってた言葉が聞こえて正直ショック。
「だって…1ヶ月記念日なのに用事って…浮気かもしんないじゃん。」
『清ちゃぁん!』
「だって…こんなに好きなのは清だけかもって…ふ、不安だよぉ!!…ふえぇん!」
『泣かないで…清。』
「だってぇ…!」
受話器越しに聞こえる清の声。
ずっと「だって」を繰り返しながら。
その声に、俺も苦しくなる。