キミに届ける 届かぬ想い。
順調に教習は

進んでったね、

京平のお陰だよ

“合格”

みんなは

喜んでくれたんだ

私は1人泣きたい顔

隠すので精一杯だったんだ

理由は当たり前だけど

“京平に会えないから”

どこにも

行く気にもならなくって

ただぼんやりしてたんだよ

その時だったんだ

電話が鳴ったのは。

私にとって忘れらんない

1本の電話。

「もしもし」

私愛想のかけらもなく

電話に出ちゃって。

でもこの電話が無ければ

この先こんな風にも

ならなかったんだよね

「○○教習所ですが」

聞いた瞬間

すんごいドキッてして。

私の行ってた

教習所だったから。

京平の居る

教習所だったから、

「蓮見さんですか?」

「はい…そうですけど」

「病院の診察券、

ロッカーにお忘れでしたよ、」

受付のお姉さんの

声だったかな?

返事は当たり前に

「すぐ取りに行きます!」

って答えたんだよ、

こんな事言ったら

京平笑うかもしれないけど

正直言うとね

ドコの病院の診察券なのかも

教習所のドコの

ロッカーに入れたのかも

全然覚えてなかったんだよね

診察券なんて

どうでもよかったけど

とりあえず取りに行ったんだ

京平に、会えるかも

しれないから。
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