キミに届ける 届かぬ想い。

二歩。

“告白しよう”

って。

決心したんだ

告白してもし振られても

それはそれで

良いかなって

不思議とそう思えたんだ

ただ

好き。

って気持ちを

伝えたかったから。

でも今まで

誰か好きになっても

告白した事の無かった私は

どうやって

告白したら良いのか

全然分かんなくてさ

時間だけがどんどん

過ぎて行って。

私が告白なんて

やっぱ無理なのかな

って何回も思った。

そんな

弱気になってた

時だったんだ。

忘れもしないよ。

私の住んでる最寄り駅の

すぐ近くのコンビニだったね

友達を駅まで送って

別れた後だったから

時刻は夜の10時位だったかな?

異常な程にのど乾いてて

コンビニに入ったら

すぐ目についた

タバコ片手にレジに並んでる

赤のパーカーに深緑のパンツの

後ろ姿。

最初は気付かなくて。

でもだんだん

“もしかして”

って思ってね?

でもさ

声かけて間違えてたら

恥ずかしいでしょ?

だから電話をかけたんだ。

すっかり発信履歴も

着信履歴も

“笹原先生”

で埋め尽くされてたから

そこから京平に電話したんだ

電話を掛けるとすぐに

赤のパーカーの人は

慌てて携帯を開き、

タバコを売ってた場所に戻して

コンビニから出ちゃって

その瞬間携帯から聞こえた

京平の声

「はいっもしもし」

コンビニの中からだから

よく見えなかったけど

赤のパーカーの人は

携帯を耳に当ててて。

今しかない。

そう思って決めたんだ
< 18 / 32 >

この作品をシェア

pagetop