キミに届ける 届かぬ想い。
でもその頃の私はまだ

家よりも厳しい

京平からの門限が

凄い腹立っちゃったりして。

よく喧嘩にもなったよね?

“仕事終わったー!”

“遅くまでお疲れ様!”

“今何してんの?”

“電車乗ってる”

“バイトだったの?”

“友達と遊んでた”

“今何時だと思ってんの?”

“10時半だけど”

“10時までには帰れってば”

“たまには良いでしょ”

“この前もだっただろ”

“京平うるさい!”

“次どこの駅?”

“どこでも良いじゃん”

“良くない、言え”

“○○駅”

“降りて”

“やだよ”

“やじゃない、降りろ”

“…何でよ”

“迎え行った方が早いから”

“京平来るの?”

“行くよ。当たり前だろ”

“わかった”

こんなメールなんて

何回もしたよね。

京平の気持ちなんて知らずに

私勝手にムカついて

優しさなんだって事も

何も分かんなくて。

親みたいな事言わないで、

って凄い思ってたんだ。

でも駅で降りたら

いっつも凄い早さで

迎えに来てくれたよね

京平からの門限を

何回も破って…

でも京平は毎回

迎えに来てくれたね

「本当遅くなると危ないから」

って言ってくれたよね
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