君色のぼく



「亮くん!おはよーっ!」


前の席の春日鈴菜。
毎日、毎日…話しかけてくる。


どうして?


「亮くんってば!返事は?」


「……………はよ。」


「おはよっ!!」


さっきも言ったじゃん…うるさいな。


「……………」


「亮くん英語の予習してきた?今日、あたるよねー!私なにもしてないんだ。だからあたったら教えてね!」


「…………」


とにかく春日鈴菜はうるさい。弾丸トークって彼女のためにある言葉じゃないかと思う…


「亮くんっ!」


「あのさ…前から言ってるけど…ぼくの名前は亮じゃなくて、亮輔だから…」


「亮輔じゃながいじゃん。だから亮くん。」


くんをつけてる時点であんまり変わらないと思う…


「名字だって桑原でしょ?長いし…だから亮くん!」


「あっそ、」


「亮くん…」


「なに?」


「なにもないっ!」


本当、意味がわかんない奴…ぼくが返事すると嬉しそうな顔をして前を向いた…。
それにしても…どうしてぼくなんかに構うんだろ…



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