君色のぼく
二人で帰りながら…今日のクラブの話をする。
亮くんは微笑みながら聞いてくれる。
「亮くんはどうだったの?」
「え?」
「クラブ。何やってたの?」
「ぼくは…種植えて…花壇作って…水やったりしてたよ。」
「そっか。園芸部…楽しい?」
「楽しくないよ。」
えっ!?
「どうして入ったの…?」
「……本当は野球部かサッカー部に入ろうとしてたんだけどね」
野球部かサッカー部?
「でも、体験に行ってみたんだけど向いてなくて…だからラクな園芸部にしたんだ。」
「それだけ!?」
「うん。」
「…………」
ラクだからって理由で…入ってもいいの。
「野球部とサッカー部…園芸部と全然違うよ。」
「…クラブに入りたかっただけだから。」
クラブに入る?
「クラブに入ったら、春日と一緒に帰れるでしょ?」
「えっ…?」
「こうやって一緒に帰れるでしょ?」
「そっか…ありがとう。」
私のこと考えて…嬉しいな。亮くん…