君色のぼく



「ぼくはムッツリじゃないよ…それに、髪の毛や服装はやられたの。」


「やられたって…誰に?」


聞かれてたのは気にせず…私は自分が疑問に思ったことだけを聞いた。


「…金井さんに。」


金井って…金井先輩?


「金井先輩に土日会ってたんだ…」


声が震えるのがわかる…


「あぁ…まぁ。」


「そっか。それで金井先輩好みの男になったってわけ?」


「は?」


「…………そうじゃないの?」


「金井さん好みになってどーすんの?髪の毛染めたのも…こんな格好してんのも全部、春日のためなんだけど…嫌だった?」


「え?」


「春日は…こんなのが好きかなって思って…違った?」


「どういうこと?」


「…………こんなの言うの恥ずかしいんだけど、」


「…………」


「春日に釣り合いたくて…だからこんな格好してるんだ。…春日に嫌われないように…」


え…?


「ぼく、何一つ自信を持てるものってないから…だから、せめて外見はダサくなくなろうって思って…春日に釣り合いたくて。」


「うん…」


「だから金井さんに相談したんだ…そしたら金井さんの彼氏がこうしろって…」


金井先輩の彼氏?


「春日は嫌だった?彼氏さんはいいって言ってたけど…」


そう言って真剣に悩みだした亮くん…本当、天然王子なんだから。



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