センチメンタルな季節【短篇集】
夏休み。

閉めきった蒸し暑い部屋の中。

扇風機が熱風だけを運ぶ。

ミンミンとセミが鳴くその中で、真っ昼間から私たちは文字通り熱いセックスをした。

しがみついた彼の背中は汗で滑って、だけど必死にしがみ付いて。このまま繋がったまま溶けてしまえばいいのに・・・なんて、アブナイことを考えていた。

そういう事を考えるのは愛に狂った人だけだと、鼻先で笑っていたのだけれど、どうやらその愛は皮肉にも私の鼻先にあって、私もその愛に狂った女らしい。
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