天使の涙(仮)
貴弘の私を見る目が真剣で、その目を直視することが出来ない。
俯くしかなかった。
いつものように冷たい態度でこの場から去ることも出来る。
でも、初めて見る貴弘の姿にそれはしちゃいけない気がした。
何を言えばいいのか考えても思いつかなかった。
どうしたいのか、どうするべきなのかが分からない。
分かるのは貴弘が本気だということと、私がその気持ちにきちんと向き合わなければいけないということ。
どんな答えだとしても。
それでも逃げ出したいと思う私はただの弱虫でしかない…。