天使の涙(仮)
なんだかこの雨が染みていくようで、胸が痛かった。
少しづつバランスが保てなくなっていって、今までの自分が崩れていくようで怖くなった。
確実に私の心は揺れている。
決め手なんて何もない。
貴弘を好きとか嫌いとかじゃなくて、ずっと私の中で眠っていた気持ちが目覚めようとしているから。
捨てたはずの気持ち。
今の私にはそれが怖い。
だから、忘れなくちゃ。
今の自分を消さなきゃいけない。
セックスして、浴びる程に飲んで全てこの雨に流してしまおう。
そうやってあの日からずっと生きてきたんだから…。