天使の涙(仮)


「ところで、翔くんは今日はどんな物を買ってきてくれたのかな?」

ニヤッと笑顔で言う私に、

「じゃ~ん!今日はビールです!実々、ビール好きでしょ?」

と、ビニール袋から500mlの6缶パックを取り出した。

「わぁ~!なかなかやるじゃん!今までで一番の手土産じゃない!?」

なんとなく沈みかけてた気分が明るくなった。
何を隠そう、私は酒には目がないのだ。
そして、セックスと同じように第二の現実逃避の道具でもある。

こうして、翔が家に来るときは必ず何らかのものを持ってきてくれる。
律義というか、なんというか…。
でも、翔のそういうどんなに仲良くなっても気を使うとこが好き。
私はアンタに何もしてあげないのにね。

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