天使の涙(仮)
「何!?いきなり…。そういう暗くなるような話とか酒が不味くなるんだけど…。」

実際そうだ。しかもよりによって自分のこととなると余計。

「……ごめん、でもいきなりじゃないよ。仲良くなってからずっと思ってたよ。………だからさ、どんなことでもいいから話してよ。俺、頼りないかな?」

すごい思いつめた顔。なんで、アンタがそんな顔すんの?
何もしてないのに、私が悪者みたいじゃん。

「うん、頼りないね!」

「………そうだよね…。」

しばらく沈黙が続く。
それに耐えられず口を開いたのは私だった。

「はぁぁ~、アンタはさ何も考えずに今まで通り笑ってればいいんだよ。私は別に翔に何かしてもらいたいからこうして一緒にいるわけじゃないんだし…。まぁ、それが寂しいっていうのは勝手だけど、考えるだけムダだね。」

パシッと翔の背中を叩いて、笑顔を見せた。
すると、翔は“痛っ…”と言ったけど私はそれを無視して、またチビチビと二人で飲み始めた。

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