天使の涙(仮)
私は経済的に裕福な家庭に生まれた。
私は一人っ子で、父と母の三人家族。
父はちょっと名のある書道家だった。
仕事、仕事でほとんど家にいることはなかったけど幸せな家庭だった。
だけど、私が小学中学年になったときから少しづつ壊れていった。
仕事ばかりの父に母は不満だったようで、そのはけ口が私だった。
どんなことをされても、どんなことを言われても我慢した。
それで母が楽になるのならと。
子供ながにも思ったから。
父が家に帰ってきたときには、変わらない幸せな家庭の風景があったから。
いつか、また優しい母に戻るって。
信じてた。