天使の涙(仮)


友達といても上手く笑えない。
家族に囲まれて、父親がウザいとか、母親が口うるさいとか愚痴をこぼす友達が羨ましかった。
私は友達に話せるような家族の愚痴なんて一つもなかったからだ。

明るかったであろう性格は、次第に悲観的で暗くなり友達すらも寄せ付けなくなってしまった。

学校から帰れば広い家にポツリと私独りだけが存在していた。
“死にたい”そんな衝動に駆られても、私は手首すら切れないただの臆病者でしかなかった。


自分で死ぬこともできない。
だったら残された道は二つに一つ。
“生きる”それしかなかった。

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