天使の涙(仮)

そんな独りぼっちの私の為に父は、以前より頻繁に帰って来る。
なんてことはなかった。

生活費は毎月決まった日に私の口座に振り込まれた。

誕生日もクリスマスもお正月も一人きり。

お金に困ることなんてなくて、欲しいと思った物は簡単に手に入った。
だけど、私の欲しかったのは流行の服でも、最新のゲーム機でもない。

それでもポッカリ空いた心を埋めるように、クローゼットの中は流行の服でいっぱいになり、一度もプレイされることのないゲームソフト、聞くことのない人気アイドルのCDが増えていった。

そうすることでしか“生きる”ことが出来なかった。


そんな闇の中で生きる私にも、光を見つけることが出来たんだ。

< 151 / 181 >

この作品をシェア

pagetop