天使の涙(仮)
そんな独りぼっちの私の為に父は、以前より頻繁に帰って来る。
なんてことはなかった。
生活費は毎月決まった日に私の口座に振り込まれた。
誕生日もクリスマスもお正月も一人きり。
お金に困ることなんてなくて、欲しいと思った物は簡単に手に入った。
だけど、私の欲しかったのは流行の服でも、最新のゲーム機でもない。
それでもポッカリ空いた心を埋めるように、クローゼットの中は流行の服でいっぱいになり、一度もプレイされることのないゲームソフト、聞くことのない人気アイドルのCDが増えていった。
そうすることでしか“生きる”ことが出来なかった。
そんな闇の中で生きる私にも、光を見つけることが出来たんだ。