天使の涙(仮)
辿り着いた場所は駅のそばにある、ベンチと噴水しかない広場だった。

駅のそばということもあって、それなりに人が多かった。
待ち合わせしてる人。
帰宅する人。
これから出かける人。

どんな人を見ても、みんな幸せそうに見えた。
少なからず悩みとかみんな抱えてるんだろう。
それでも、私はこんなにちっぽけで、世界で一番不幸な人間に思えて仕方ない。

こんなとき、逃げ込む場所も頼る人も私には何もなかった。

今の私に当てはまる言葉は何?

そんなのないよ。

私が自分の存在意義を見出だせないように。

今こうして涙を流していることにも意味なんてないんだと。
座ったベンチの冷たさが言っているようだった。


誰か気付いて。
それだけでいいから…。
< 158 / 181 >

この作品をシェア

pagetop