天使の涙(仮)
あまりの喉の渇きに目が覚めた。
体を起こすと、床に寝てしまったせいか背中がバキッと鳴った。
テーブルの上には無造作に並べられたビールの缶やお菓子の食べかけが散らかっている。
とりあえず喉の渇きを潤したくて、台所に向かいコップに水を注いでゴクリと飲んだ。
コップを手にしたままリビングに戻る。
ソファーの上に実々が寝ていることに気がついた。
そして、なんとなく寝顔を見つめた。
普段の実々からは想像できないくらい穏やかで、でもどこか寂しげな寝顔に一瞬心を奪われそうになった。
4年程友達としてそばにいたけど、まじまじと寝顔を見たのは初めてだと思う。
本当に何人もの男と遊んでるのだろうか?
そんなことまで思ってしまうくらい、綺麗な表情で眠っている。