天使の涙(仮)

店先から元来た道へ歩を進める。
日差しが容赦なく照り付け、このままその場で溶けてしまいたいとさえ思う。

こういう日ってやっぱビールだよね…。
それにイカ焼きとか最高かも。

とか思って、方向転換して歩き始めた。



辿り着いた先は最近オープンしたばかりのスーパー。
自分の働いているスーパーの方が近いが、休日にまで行く気にはなれない。
それに、オープン記念だかなんだかで、食料品が他よりも安くなっているらしい。
パートのおばちゃん連中がそんなことを休憩中に話していた。

中は冷房がきいていて、ひんやりと涼しいというよりは、少し寒いと言った方が正しいだろう。
一通りぐるっと見て、カゴの中に刺身用のシールがついている、イカのパックを一つ入れ、500mlの缶ビール6缶パックを入れ、レジへ向かう。

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