天使の涙(仮)
自分が望んだ結果なのに、なにか違う気さえする。
言い知れない虚無感に襲われる。
自分が招いた出来事に、自分が望む結末を迎えた。
普通なら清々しい気持ちになるんだろう。
でも、今の私にそれはなかった。
それがどうしてなのか自分でもわからない。
貴弘を傷付けたという罪悪感なのか、気持ちを受け止めてあげるべきだったと後悔なのか、それとも………。
「何がしたいの?」
自分自身に問掛けたが、返事なんてあるわけもない。
このときからだった。
少しづつ、今の自分が音をたてて崩れ落ちていったのは。