天使の涙(仮)
「えっ?」
何言ってんだか…。
酔っ払いって、いきなり訳わかんないこと言うよね。
「気持ち悪いんでしょ?トイレでスッキリさせてきなよ。」
どうやら、思い切り顔に出ていたようだ。
実々の言葉に甘えてトイレに駆け込んだ。
最悪だよ…。
俺って奴は実々の前ではなんとも格好がつかない。
男としてダメな部分しか見せてない気がする。
でも、それが本当の俺でもあるんだよな。
「送ってくれるんでしょ?ほら、行くよ。」
トイレから出て来た俺に有無も言わせず、店を出て行った。
きっと、普通の女の子なら、“一人で帰れるから”とか気を使ってくれるだろう。
まぁ、実々らしいような気もするけど。
そういうのが嬉しいとか思ったりしちゃうんだよね。