天使の涙(仮)

昨日飲み損ねたビールで再度乾杯した。
“飲むぞー”なんて張り切ってる翔がおかしかった。
さっきまで具合悪そうにしてたのに。

出会ったときに嘘くさく感じた笑顔も、今では眩しかったりする。
情けなくて、少しお節介なところもあるけど、純粋で優しい心を持った大切な友達。
いつも私を気にかけてくれて、こんな私のことを愛想尽かさずいてくれる。
単なるバカなのか、それとも比べ物にならない程の大きい人間なのか、今はわからない。
それでも、コイツだけは失しちゃいけないって思い始めてる。
信じられそうな気がする。

「ん?どうしたの?黙っちゃって。」

「なんでもない。」

いつもの私。

だけど、今日だけはそうもいかないみたいだ。

翔、今日だけはこんな私を許して欲しい…。

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