天使の涙(仮)
実々が眠りについて、俺は寝室を出た。
あんな実々は初めてでどうしていいか戸惑った。
初めて見る泣き顔、初めて見る姿。
どんな気持ちで泣いたのか、俺には想像つかなかった。
きっと考えてもわからないだろう。
少しだけわかったことは、俺を必要としてくれてること。
今の俺には十分過ぎることだった。
実際のところ、実々に何があったとか、どんなことを思ってるなんてわかりっこない。
どんなにそばにいて、どれだけ同じ時間を共にしたって、相手の本当のトコロなんて誰にもわからないもんなんだ。
だからこそ言葉がある。
実々の性格上それはないに等しいけど、実々自身が伝えようと思って口にしたことは全て受け止めていきたい。
今までだってそうだったんだ。
出来ないわけがないよ。
例えどんなことがあっても。