天使の涙(仮)
その人物は男で、168センチしかない俺よりも断然背が高くて、髪の毛は長く、後で一つにまとめていた。
胸元にはネックレスがいくつか重ねづけされている。
俺とは正反対で、絶対に友達になれないタイプだ。
というより関わりたくない。
「お前、誰?」
怪訝そうな顔で聞いてきた。
いや、あんたこそ誰だよと言ってやりたいが、やめた。
「誰って言われても…………。あっ、実々の知り合いの方ですか?」
そうだとしか思えなかった。
「…………まぁ、そんなもん。アイツ、居る?」
俺の体の分開いてる隙間から部屋の中を覗き込んでいる。
何だろう、すごく嫌な気分だ。
実々とこの男はどんな関係なんだろう?
もしかして、セフレ?
にしても、実々が家にいるかいないかくらい連絡して来るよな。