天使の涙(仮)


「今、仕事行ってますよ。夜7時過ぎくらいには帰って来てると思いますけど…。」

そう言って扉の鍵を閉めた。

「お前さ、アイツの男?」

俺の言葉を聞いてたのか聞いてないのか分らないが、俺の手元を見ている。

「えっ!?いや、違います。」

「じゃあ、それ。なんで?」

どうやら、俺が実々の部屋の鍵を持ってることが気になってるらしい。

「あぁ~、まぁ色々と。…………俺、これから仕事行かなきゃいけないんで。」

そう言って男の横を通り過ぎた。

なんか無性に腹立たしかった。
お前になんか教えてやんねーよとか思った。

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