流星☆BOY【移行更新中】
 ガシガシと音を立て、あたしはむすっとトーストにマーガリンを塗る。

「リュウセイくん、卵は目玉焼き?玉子焼き?」

「ヒメリとおんなじで!」

 ハチミツスマイルは誰にでも使えるらしい。

「リュウセイくん、今度おじさんと海にでもいかないか?」

「ヒメリも一緒?」

「やれやれ、リュウセイくんは姫織が一番なんだなぁ」

 あっはっは、とご機嫌に笑う父に、あたしのメニューと全く同じようにセットする母。


「……」

 あたしはひたすら無言を通していた。

「ヒメリ?」

 銀色の髪の少年は、うかがう様に隣から見上げてくる。


 …――昨日、隕石少年が降ってきたときもこの瞳をされて、あたしは有無をいえなかった。



 あたしを強引に星に連れ帰ろうとした彼を、どうにか引き止めた時だった。


 好きでもないのに、結婚なんてできない。

……他にも、いろいろと諸事情があるんだけれども。

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