流星☆BOY【移行更新中】
「ヒメリ。橘 姫織よ」

 素直に答えると、あたしの名前を何度も飲み込むように繰り返していた。

そして、コクンと小さく頷いたかと思ったら、彼は意志の強そうな視線を投げてきた。


「わかった。だったら、ヒメリが僕を好きになってくれるようにがんばるね」


 ハチミツじゃなくて、まさしくそれはオトコだったのだ。

そんな甘い誘惑に勝ちきれずにいた自分も、情けなかった。


 隕石で落ちてきた彼に還る場所もなく、仕方なく我が家へつれて帰った。

なんて親に説明しようか?という悩みは彼には通じない。


 ……と、思ったのに。


「リュウセイくーん!」


 ガチャンとドアノブが開いた瞬間、母と父が彼に抱きついてくる。


 え、何っ!?


 戸惑ってるあたしが、まるでおかしいみたいだ。


「こんにちは」

 彼の笑顔に両親は顔を思いっきり緩めている。

 娘のあたしを差し置いて、どこぞの隕石少年にそんな反応を示すもんだから、正直、おもしろくない。

 引っぺがすように彼の腕を掴んで、少し屈んで彼の耳元に手を添える。


「ちょっと、どういうことなのよ!」

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