流星☆BOY【移行更新中】
 ガラリ、と教室の扉を開くと、大半のクラスメートがすでに揃っていた。

そんな中、誰に声をかけるわけでもなく、自分の席に着く。

これが少女漫画とかなら、窓際の一番後ろなんだけど、それどころか教室のど真ん中だった。


 あたしは、多分…いや、絶対浮いてる。

 朝挨拶する友達もいなければ、宿題の写しあいをするような子もいない。

おかげで『クールビューティ』なんて影でいわれてるのも知ってる。

それはあたしにとって皮肉以外のナニモノでもなかった。


 例えば、あたしにそういう友達がいれば、リュウセイのことも相談できたのかもしれない。

 そんなトモダチは、一緒に解決策を探してくれるんだろうか…?

 あたしが普段、微塵も浮かびもしない考えを巡らせていたとき、タイミングよく担任が入室した。

「おはようさーん」

 なぜだかいつも陽気な女教師、横矢先生。
人望も厚くサバサバした性格が好感度を上げている。生徒からはヨコヤンなんていわれてる。

教卓につくと、いつもはいち早く広げる出席簿を閉じている。


「出席の前に、ちと紹介するわ」

 意地悪い視線が、一瞬あたしと目が合った気がしたけど、ふいっとそらした。

「入ってきて~」

 先生の声で、再びがらりと教室の扉が開いた。


「う……うそでしょう…?」


 あたしのつぶやきが、周りを驚かせる。

そして何よりも、大体のオンナノコの息を呑む声が響き渡る。


「はじめまして、橘流星です!」

 ハチミツスマイルは彼の十八番。

 あたしを見つけたリュウセイは、更に糖度を増すように笑う。

「ヒメリ!」

 その言葉にクラスメートから集中的な視線を浴びる。

今までそんなこと一度だってなかったから、痛いのなんの、耐えられず俯いた。
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