流星☆BOY【移行更新中】
「ヒメリぃ~っ!!」

 大きな叫び声と共に、勢いよく図書室の扉が開かれた。

はあ、はあ、と荒い息遣いが一斉の注目を浴びる。



 もしかしなくとも……、リュウセイだ。


「ヒメリ、助けてよっ」

 そういうなり、がばっとあたしの腰に腕を回して抱きついてくる。


「ちょ、ちょっと、リュウセイ…ッ!!」

 更に遠くで慌しい足音が響き、案の定そのままこの部屋に向かってきた。

おそらく、リュウセイ目当て。


 水を差すどころじゃない。折角の決心が、ボキンと折られたのだ。


「りゅ、リュウセイくんっ」

 もう一度視線が集まった図書室の入り口。

3人の女の子が状況に気づき、はっと息を潜めて恥じらいを見せながら近づいてきた。

それと同時に、リュウセイもあたしを盾にするように後ろに回る。


「コドモじゃないんだから……」

 小さな呟きは聞こえてないみたいだった。


「橘さん、リュウセイくんお借りしたいんだけど?」

 彼女たちの引きつった笑みなのは分かりきってる。

それなのに、そこまでしてリュウセイに媚を売りたいんだろうか?


 ちらりと背後を確認するけど、ヤダヤダ、と言わんばかりに顔を押し付けながら横に振ってる。
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