流星☆BOY【移行更新中】
「…っぷ」

 すぐ近くで堪えるような笑い声が聞こえて我に返る。

なによりも、その声は先輩のものだった。


「仲がいいんですね、タチバナさん?」

 知的な瞳を眼鏡で隠すように目を細めた先輩の笑顔が、そこにはあった。

また飛びついてきそうなリュウセイを慌てて腕で突っ返す。


「ちょ、ちょっと、冗談やめてよ!」

 先輩に誤解されたくないもん。

 キョトンとしていたリュウセイは、うん、と小さく頷いてまた抱きつこうとする。


 やっぱり解ってない!!


「りゅ、リュウセイっ!!」

 あたしの大きな声に先輩は更に笑うから、抗議のまなざしを向ける。


「ご、ごめんねっ、弟さん?」

 椅子の背もたれに肘をかけながら、ゆっくりとメガネを外し目じりの涙を拭っていた。

やわらかい雰囲気といい、気さくなカンジが、あたしの胸を締め付ける。


「あの、違いますっ!…と、遠い親戚みたいなもんで…っ」

 慌てて取り繕ってみるものの、緊張と急に先輩と話せることになった展開に頭が追いついていなかった。


 顔は、多分真っ赤。でも、折角のチャンスを逃したくない。

もしかしたらリュウセイのもってきてくれた幸せなのかも!

拾った甲斐が少しでもあった、と思ったときだった。

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