流星☆BOY【移行更新中】
「ヒメリは僕のお嫁さんになるんだ」

 ぴょこんと顔を出しあたしの腕に絡みついたまま、リュウセイがいう。

その言葉に、ピシリ、とあたしの時だけが凍りついた。


「な、何言い出すのよ、リュウセイ!」

 先輩になんてことを……っ!

あたしに魔法が使えれば、先輩からいまの会話を全て消し去りたいくらいだ。


「あはははっ、お嫁さんだなんて気が早いね!」

 図書室だというのに、大きな声で笑う先輩。

本当はその笑顔が見れただけでも幸せなんだけれども、話題が話題だけに素直に喜べない。


 先輩には、一番聞いてほしくなかった……。


 どうしようもない状況にそっと下唇を噛んで目を伏せた。


「ヒメリ?」

 覗きこんできたリュウセイが、ぼやけて見える。


 卒業式だって、体育祭で優勝した時だって。

学校で泣いた事なんてないあたしが、今、目頭が熱くてたまらない。



 想いを伝えようと頑張れたのは、初めてだった。


 ようやく手紙が渡せるはずだったのに……!


 やるせない想いがあたしの涙を誘導していく。

あたしの表情に気づいたのか、リュウセイは困っていた。


「リュウセイの……、バカ」

 あたしはどうすることもできなくて、図書室を飛び出た。

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