流星☆BOY【移行更新中】
「リュウセイ、帰るよ」

 一日が終わり、部活もしていないあたしは帰り支度を済ませていた。


「うん…っ!…あ、やっぱり先に帰っておいて?」

「え?」

 慌ててリュウセイは顔と両手を振っていた。

「ちょっと用があって……」


 今までヒメリヒメリ、ってうるさかったヤツが急用?

ジト目で見ているのが分かったのか、さらに焦っていた。


「ちゃ、ちゃんと一人で帰れるかの実験なんだ!」

 目が泳いでるけど……。

いつもは穴が空きそうなほど見つめてくる大きな瞳は、同様で揺れている。

リュウセイが何かを隠しているのは明白だけれど、どうやら簡単に口を割りそうにもない。


 大きなため息を一つ吐き捨てる。

「わかった、じゃあ迷ったらこの携帯電話で…ココのボタンと…―ココを押してね?」

 そういって、家の電話にすぐつながるように設定してあるボタンを説明し、あたしの携帯電話を手渡す。


まじまじと珍しいものを見るもののように、リュウセイはそれを眺めていた。


「じゃあ、頑張ってね」

 なぜか頬が綻んだ。
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