流星☆BOY【移行更新中】
「あの、…あたし…」
ようやく紡ぎ出た声は、先をいわずとも先輩は分かってくれたみたいだった。
「とりあえず、見かけたところまで案内するよ」
導かれるように、愛しかったはずの広い背中についていった。
バシャン、バシャン。
水がはねる音が断続的に響く。
「ほら、あそこ」
先輩に示されたのは、昼休みあたしが『願い』をささげた場所だった。
小さな1本だけの笹が風に揺られている。ただ、そこにはあたしが結んだはずの便箋はどこにもなかった。
月の光すらも浴びないそこに、虚しくも街灯で浮かび上がるのは黒い人影。
だけど、水をかきわけるには、体が小さすぎる。
「『大切な人からの預かり物』を落としてしまったらしいよ」
背中を押すような先輩の言葉に、無性になにかがこみ上げてくる。
ゆっくりと、足が勝手にその影に近づいていた。
パシャンッ、
「…めてよ…」
パシャン、パシャンッ、
「…ウセイ…」
バシャンッ!!
大きく割れるような水の音が響いて、辺りは虫の声が鳴り渡る。
静かにピチャン…と滴り、その重みを吸い取るようにあたしは腕に力を込めた。
「リュウセイっ、もう、いいから……っ」
小さな体で、ひねくれすぎたあたしを受け止めようとしないでよ。
嬉しくて、嬉しくて、……心が震える。
ようやく紡ぎ出た声は、先をいわずとも先輩は分かってくれたみたいだった。
「とりあえず、見かけたところまで案内するよ」
導かれるように、愛しかったはずの広い背中についていった。
バシャン、バシャン。
水がはねる音が断続的に響く。
「ほら、あそこ」
先輩に示されたのは、昼休みあたしが『願い』をささげた場所だった。
小さな1本だけの笹が風に揺られている。ただ、そこにはあたしが結んだはずの便箋はどこにもなかった。
月の光すらも浴びないそこに、虚しくも街灯で浮かび上がるのは黒い人影。
だけど、水をかきわけるには、体が小さすぎる。
「『大切な人からの預かり物』を落としてしまったらしいよ」
背中を押すような先輩の言葉に、無性になにかがこみ上げてくる。
ゆっくりと、足が勝手にその影に近づいていた。
パシャンッ、
「…めてよ…」
パシャン、パシャンッ、
「…ウセイ…」
バシャンッ!!
大きく割れるような水の音が響いて、辺りは虫の声が鳴り渡る。
静かにピチャン…と滴り、その重みを吸い取るようにあたしは腕に力を込めた。
「リュウセイっ、もう、いいから……っ」
小さな体で、ひねくれすぎたあたしを受け止めようとしないでよ。
嬉しくて、嬉しくて、……心が震える。