流星☆BOY【移行更新中】
「……ヒメリが、笑ったんだもん」
冷たい服の感触の向こうで、微かにリュウセイの声が聞こえた。
「頑張れ、って」
確かに携帯電話を渡したとき、そういった。
けれど、そのときは一人で帰ってくる、っていう嘘を応援したつもりだった。
「それとこれとは全く違うじゃ……っ!」
「僕だって、字は読めるんだ。ヒメリの想いが書かれた手紙があるんだったら、僕だってほしいよ!」
荒いリュウセイの声は、やけに胸に響く。
どうしてそんなに切ないことをいうの……?
「……でも、ヒメリが嬉しそうにするのは、僕じゃないんだ…」
震えているのは、リュウセイだろうか。
それとも―……。
あたしはそのまま背後から抱きしめたまま、リュウセイの耳元に顔を近づけた。
静寂の中、あたしたちを通り抜ける水の音と虫の声が不思議とキモチを落ち着けさせる。
「先輩には、ちゃんと想いあってる人がいるんだよ」
その瞬間、リュウセイの体がビクンと跳ねた。
そこまで知っていたんだ。
「だから…ね、気持ちを伝えても伝えなくても、結果は決まっていたの」
…本当に、想ってた。
でも、もしかしたらこの想いは、単なるあたしのエゴだったのかもしれない。
『伝えたい』だなんて。
「リュウセイ、…ありがとう。もう、いいよ…?」
冷たい服の感触の向こうで、微かにリュウセイの声が聞こえた。
「頑張れ、って」
確かに携帯電話を渡したとき、そういった。
けれど、そのときは一人で帰ってくる、っていう嘘を応援したつもりだった。
「それとこれとは全く違うじゃ……っ!」
「僕だって、字は読めるんだ。ヒメリの想いが書かれた手紙があるんだったら、僕だってほしいよ!」
荒いリュウセイの声は、やけに胸に響く。
どうしてそんなに切ないことをいうの……?
「……でも、ヒメリが嬉しそうにするのは、僕じゃないんだ…」
震えているのは、リュウセイだろうか。
それとも―……。
あたしはそのまま背後から抱きしめたまま、リュウセイの耳元に顔を近づけた。
静寂の中、あたしたちを通り抜ける水の音と虫の声が不思議とキモチを落ち着けさせる。
「先輩には、ちゃんと想いあってる人がいるんだよ」
その瞬間、リュウセイの体がビクンと跳ねた。
そこまで知っていたんだ。
「だから…ね、気持ちを伝えても伝えなくても、結果は決まっていたの」
…本当に、想ってた。
でも、もしかしたらこの想いは、単なるあたしのエゴだったのかもしれない。
『伝えたい』だなんて。
「リュウセイ、…ありがとう。もう、いいよ…?」