流星☆BOY【移行更新中】
 通常外来の時間が終了し夜間診察になってしまったからなのか、少し薄暗く感じる診察室。

 目の前にあるカーテンの向こうからリュウセイの荒い息遣いが漏れてくる。


 最寄の病院に運ばれて、あたしと先輩は救急車に乗って一緒にやってきた。

一通り診察を終えた医師は、ふう、とひとつため息をついて向き直ってきた。

「…いわゆる……」

 俯いた医師の視線が怖い。

ドキドキと心臓が不安に駆り立てられ、見越した先輩が肩を優しくさすってくれる。



「成長期と風邪が重なったんでしょうね」



 ………。


「……は?」

 あたしのにじんだ目じりが、ぴたりと固まった。

「この時期といっても、何時間も水を浴びてれば風邪は引きますでしょう」

 小ばかにしたように先生はカルテをめくる。

「で、でも、体が痛いのって……」

 さすがの隣の先輩も苦笑いだった。

「成長期特有の関節の痛みのことでしょう。16歳にしては体が小さすぎですし、成長期は人それぞれ違うものですから」


 人、っていうか、宇宙人ですけど。


「と、とにかく、リュウセイは…無事、なんですよね…?」

「ええ、今点滴をうってますし、解熱剤も投与したのでしばらく安静にしていれば治ります」


 よ…、よかったぁ…。

声が出ない代わりに、全身の力が抜けてその場にへたり込んでしまった。

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