流星☆BOY【移行更新中】
 慌ただしい一晩が明けて、なんだかやけにスッキリした朝を迎えた。

 バタバタと足音を立ててリビングから出てきたのは、すっかり風邪が治っているリュウセイ。

 あんなにうなされていたのが嘘のようだ。

朝起きたらケロリと「おはよう!」と嬉しそうにいうもんだから、あたしは開いた口がふさがらなかった。


「ほら、リュウセイ、いくよ~」

「ま、待って、ヒメリ!!」

 妙に張り切ったリュウセイは玄関に走りこんでくる。

ワイシャツのボタンは掛け違えているわ、ネクタイは曲がっているわで見ていられない。

 ローファーに足を通しているリュウセイの襟をぴっと引っ張る。


「ヒメリ?」

 見上げてきたまあるい瞳が、あたしを捉えた。

だけど、昨日とは違和感を感じる。


「……どうかしたの?」

 覗き込んでくる顔が、やけに近く感じる。

「リュウセイ……、背伸びた?」

 そう、目線だ。

昨日は胸の下辺りまでしかなかったリュウセイの顔が、今はすぐそこに感じる。


「それより、早く行かないと遅刻しちゃうよ!」

 あたしよりもリュウセイが時間を気にして、玄関を飛び出た。

まだ制服もキチンと着れていないのに。

「はいはい…」

 生返事をしてリュウセイの後を追いかけるように、ドアを開く。


 まぶしい太陽が、降り注いできた。


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