流星☆BOY【移行更新中】
「リュウセイ、まだ時間あるから平気だって」

 何かに追われるかのように急ぐリュウセイの背中に声をかける。

けれど。

「だって、昨日ヒメリから預かった電話見つかってないもん!」


 見つかったとしても、壊れてるのに。

こんなあたしの冷静な言葉は、そっとしまった。


 一人で焦っているリュウセイを見ていると、冷めていた自分が恥ずかしくなってくる。

 あたしもこんなに一生懸命、先輩を追ってみればよかった。

そうしたらもっと思い出がたくさんあって、もっと傷ついた分、次はもっと誰かを好きになれそうだ。


 ……いまとなっては、遅いんだけどね。


「その前に!」

 あたしが小走りで追いかけてリュウセイの肩を掴む。

「ちゃんと制服着なさい!」

 道端だけども、リュウセイの乱れた襟を正してやりボタンも一個ずつ外していく。

ちらちら視線を感じるけれど、この際気にしていられなかった。


 だって相手は、あのリュウセイだもの。


「鏡をみて身だしなみを確認しなさい?それから、ネクタイの結び方だけど……」

 あたしが呆れながらも服装を直していると、リュウセイが見上げてくる。


「ヒメリと一緒にいたら、ヒメリがやってくれそうだ」


 嬉しそうに、甘く笑いかけてくる。

 背が伸びた分、より一層近くなって、あたしの体温は急上昇した。


「ば、ばか!なに言ってんのよ!!」

 そんなあたしの照れがばれたくなくて、手を動かしながら顔を背ける。


 その瞬間だ。


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