流星☆BOY【移行更新中】
「一体どうして?」

 図書館にも通じる中庭の木陰で、あたしたちはこそこそと三人で集まっていた。

冬の寒空の下、あまり人気はないので都合がよかった。


 ただリュウセイといいベティといい、容姿が目立つために、そこらへんにある視線だけはかき集めていたように思える。

「ああ、お前の母親から頼まれた」

 そういって紙袋を差し出される。

ガサッと音を立てて取り出すと、そこにはあたしたちのお弁当。


「今朝忘れていったから届けるように言われた」

 淡々とした口調は変わらない。

確かに寝不足できちんと荷物をチェックしてなかったけど、もうさすがに高校生だ。

購買部やコンビニで調達することは出来る。


 まったく、余計なことを…!

あたしの呆れはリュウセイには伝わらない。


「ありがとう、ベティ!ヒメリのママのご飯はとってもおいしいからね!」


 心底嬉しそうに弁当箱を抱きかかえるリュウセイ。

なんだか一人で怒っているのが馬鹿みたいに思えるからスゴイ。


「ベティも食べていきなよ!」

「いや、俺はもう頂いてきたから」

 そのまま去ろうとするベティを、リュウセイは相変わらずかわいい顔で引き止めた。


「じゃあ、お茶だけでも!今、もってくるから!」

 ベティの返事も待たずに、校舎へと戻っていく後姿を見つめていた。


 だって、こうなったら誰もリュウセイを止められないもの。

それはきっと幼馴染がよく知っていることだ。


「…あいつはココにきても変わらないな」


 そんな言葉に、あたしも思わずクスリと笑ってしまった。

そして、初めて見るベティの笑顔に、ようやくほっと安堵の息を漏らした。


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