流星☆BOY【移行更新中】
 問題は一つ。

寡黙なベティと二人きりになってしまったこと。


 冬だというのに、じっとりと手のひらが汗ばんでしまっていた。

どんな会話をしたらいいものか。

ろくにトモダチなんていないあたしには、どんな方程式よりも難しい問題だった。


 気まずい沈黙を破ったのは、ベティだ。


「あれから、リュウセイには聞いたのか?」

 陽が当たるベンチに移動したものの、空気は案の定冷たい。

すうっ、とあたしのゆるいウェーブのかかった髪を撫でる。


「…なんのこと?」

 あたしの質問返しに、ベティは「なんだ、まだか」と呆れて肩を落としていた。

落ち葉がひらりと風に舞い、なんだか彼を見ているようだ。


「お前は…リュウセイのことをどう思っている」


 静かな口調だけど、どこか切なさがある。

あたしはどう答えていいかわからなくて俯いてしまった。


「どうって……いわれても…」


 あたしにとってリュウセイはナニ?


 見ず知らずの、空から降ってきた宇宙人。

いきなりプロポーズされて、なぜか一緒に暮らしていて…あたしの伝えられなかったキモチを後押ししてくれた。


 今では、ただの宇宙人なんかじゃない。


 答えに詰まっているあたしに、ベティはクスリと笑った。

そしてその直後、頭に軽い重みを感じた。


「悪い、困らせるつもりはないんだ」

 そういってポンとあたしの頭に、大きな手のひらを乗せていた。

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