初恋 ~キミが僕に残したもの~
真っ白な純白のドレスに身を包んだ彼女が目の前にいた。


彼女のふっくらした唇が桜色に濡れていた。
頬はバラ色に染まり、それこそ、見たことのない彼女がそこにいた。



向けられた笑顔に思わず顔をそらしてしまう。



「とてもキレイだよ、夢美ちゃん」
まぶしいくらいキラキラと彼女は輝いて見えた。

神々しいくらい、輝く彼女の姿に思わず立ちくらみしそうだった。

彼女は片手を頬にあて「ありがとう」と照れくさそうに笑った。


その姿に僕は言葉を失っていた。
ぼんやりと戸口で立ち尽くす。

そんな僕の背を、父が思いきり叩いて押し入れた。

そして「何か話せ」というように合図を送られる。


――話したいことが沢山あったんじゃないのか!


自分に喝をいれる。


気の利いた台詞は一つも浮かんでこない。
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