初恋 ~キミが僕に残したもの~
こんな結末を僕は想像すらしていなかった。


なぜ考えられなかったのか、今でもよく分からない。


高をくくっていたのかもしれない。
待っていてくれると思い込んでいたのだと思う。


そんなわけないのに――


そうなるまで現実と向き合うことを僕はしなかった。
いや、今だって逃げている。


僕自身の心から逃げ続けている。


僕は落ちてきた涙を乱暴に拭うと聖堂へと向った。



ポプラの青々と生い茂った新緑の葉の隙間から優しい陽射しが、まるで包み込むようにこぼれていた。
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