恋するバニラ

放課後になって

サエコの家に向かったのだが

どう話をすればいいのかが

全くわからずにいた

サエコの家の目の前にある

公園にふと目を向けると

そこのベンチにサエコが

座って空を見上げていた


「サエちゃん?」


わたしの声に驚いた様子


「ああ。シロ・・・久しぶり~~

 元気にしてた?」


いつもの元気がない

無理をして笑っているって感じが

痛々しかった


「元気?じゃないでしょ

 サエちゃんいつまで学校サボるつもり」


「うん・・・ごめんごめん」


「ねえ。サエちゃん。おばさんに聞いたけど

 失恋したってホント?」


「・・・うん。まあね~~~

 フラれたってより、相手にされなかったの」


サエコは目を閉じて空を見上げる

多分、涙を流さぬようにしているのだろう

正直、驚いた

サエコは年よりずっと大人びているし

同性からみても、綺麗でがっこいい

それでもってスタイルもいいし

振られる要素がない

どこにフラれる要素が

見当たらなかったので

わたしは驚いて言葉を失った

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