恋するバニラ
「シロって恋したことある?」
「ううん。実はない。でも、今だからいうけどさあ
サエちゃんの好きな先輩に一目ぼれしたの。でも
サエちゃんが振られちゃったら、わたしなんて
全くダメだよね~~。初恋は実らないっていうし」
サエコは、目を大きく開いたまま、固まってしまっていた
さらりと、そう告白するわたしに、驚いた様子
「シロって案外さっぱりした性格なんだね。驚いたわ
普通、わたしが好きっていっているのに、好きになる?
いくら振られたからって、それ、本人目の前に
言っちゃえる?ふつう。
マホにそんなこと言ったら確実に大喧嘩ね」
あはは・・・とサエコは大笑いをした
「でも。シロのおかげで元気でたわ。
でもね。シロ。玉砕覚悟で恋に積極的にならないと
ステキな彼氏なんてできないよ」
サエコは人生の先輩気取りでそういう
その言葉にわたしは、憧れを感じる
「ねえ。なんで振られたのか聞いてもいい?」
「う~~ん。だからフラれたってわけじゃないの
そのスタートラインにさえ、
わたしは立たせてもらえなかったのよ」
サエコの表情は寂しそうだった
わたしは、じっとサエコの次の言葉をまった
「・・・中学生はまだ子供だからって。
全く恋愛対象外で、わたしは可愛い妹のような
存在なんだってさ。失礼しちゃうよね。
歳なんて4つしか違わないのに」
「わたし。ケイゴさんに文句言ってくる!」
「ちょっと。シロいいのよ。そんなこと
わたしはもうあきらめるから。
・・・・でも、あんたが
あきらめれないなら、わたしのせいにせず
自分で確かめてきなさい」