恋するバニラ
カフェドルチェの前に来て
やっと、自分がなにがしたくて
ここへやってきたのか・・・と
我にかえる
勢いだけでここまできたんだけど
ここにきて怖気づいてしまったの
店先で入ろうかどうしようかと
迷っていたとき
「あれ?サエちゃんのお友達だったよね?」
と店内から声をかけてきたケイゴ
「きゃ~~!あ、あ、あの・・・わたし」
「よかったら中に入って。
ちょうど店暇になったとこなんだ
店長もいないから、なにか内緒で
飲物をご馳走してあげるよ」
そう言って、店内に招きいれてくれた
狭い店内ががらんとしていて、広く感じた
「カウンターでもいい?なにが飲みたい?」
「ありがとうございます。紅茶をお願いします」
「了解。そこに座っていて」
ケイゴがやさしく笑いかけてくれるので
わたしは顔が赤くなってしまう
「で、今日はどうしたの?サエちゃんのこと?」
紅茶を入れながら、ケイゴはさらりと
本題に触れてきた